山岸逮捕に思うこと

遅れましたが、あけましておめでとう。
昨日、去年の12月にプロボディビルダーの山岸選手が、筋肉増強剤をアメリカに持ち込んだのがLAの空港で見つかって逮捕されていた、という大変ショッキングなニュースが飛び込んで参りました。
昨今のプロボディビル界では、筋増強作用のある薬剤を使うのは当たり前になっているのが現状の様です。むしろ使わなければ、トップビルダーのような人間離れしたモンスター級の筋肉は造れないと思います。
一般のスポーツにおいての筋肉増強剤使用の問題点は、競技の公平性が失われるということですが、ボディビル業界においての筋肉増強剤使用の問題点は、別の所にあると思います。それは、運営側(IFBB)が選手を筋肉増強剤使用へ追い込んでいるという点です。
本来ボディビルは、審査員個人の美的感覚により、順位を決定する芸術系スポーツであるはずですが、競技として確立させるために審査基準を定めてしまっていると考えられます。その審査基準は、筋肉の大きさ・形・キレ・バランスなどですが、近年あまりにも大きさを重視した傾向が見られました。選手はプロなので、大会に勝って賞金をかせぐために、大きくなろうと必死です。当然、筋肉増強剤を使用したほうが大きくなれるので、勝つためには使う以外ない、という様になっています。そして、IFBBがそういった状況をうやむやにしているのが悪いと思います。団体として使用を認めているなら、公認団体と公表するべきだし、認めないなら選手全員にドーピング検査を義務づけなければだめじゃないかと思います。透明性がなさすぎます!
私は今回の事件で、世間のボディビルダーに対する目がよりいっそう冷たくなるのではないか、と恐れています。ナチュラルでがんばっている多くの人々の気持ちを踏みにじるように、全員が疑いの眼差しで軽視されるのではないか・・・
今年一年、日本ボディビル界にとって正念場となると思いますが、今自分にできることは、それでもなおボディビルを信じてトレーニングを続けて行くということだと思いました。今年は静岡チャンピオンを目指して、底辺から業界を盛り上げていこうとおもいます。